自動車を修理に出す際に「板金塗装」という言葉を聞くと思いますが何をするかご存知ですか。
板金塗装とは、読んで字のごとく「板金して塗装すること」ですが、「板金ってなにをするのか」「どういう工程で車の凹みを補修するのか」など疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では板金塗装の説明と板金の作業工程を紹介していきます。
板金塗装とは
板金とは、事故による衝撃や老朽化が原因で変形したボディフレームを修理することです。自動車をぶつけてしまった場合、接触した部分が凹んだり、塗装が剥げてしまいます。
自動車のキズや凹みは目立ちますし、放置しておくとサビの原因にもなりますので早めに補修する必要があります。板金作業を行うことで凹みを補修し、塗装することで見た目を元通りに戻すことができるのです。
板金の工程
板金作業の流れは以下のとおりです。
- 付属品の脱着
- ビームの脱着
- 塗膜剥離
- 板金
- パテ付け
- パテ研ぎ
順に説明していきます。
1.付属品の脱着
板金や塗装をする際に、作業の邪魔にならないようにするために付属品の脱着を行います。ここでいう付属品とは、ドアで例えるならサイドミラーを指します。
付属品を脱着することで仕上がりも綺麗になります。基本的にはすべての付属品を外していきますが、金銭的に安く修理したい方は脱着をしない様に提案することもあります。
2.ビームの脱着
ビームとは補強材のことで、ドアなどはビームによって裏から補強されています。板金作業をしっかりと行うためには、アウターパネルとビームを離す必要があります。
アウターパネルとはドアの外版のことです。ドアとビームは接着剤のようなもので付けられており、鈑金するためにはアウターバネルを引っ張ったり叩いたりします。板金作業の時にビームが付いていると、歪んでしまう恐れがあるなど仕上がりに大きく差が出てしまいます。良い仕上がりにするためには、アウターパネルとビームを離さないといけないのです。
3.塗膜剥離
板金を行うためには、塗装を剥離して鉄板がむき出しの状態にしなければいけません。
板金には大きく分けて
- 裏から叩き出す
- 表の鉄板に溶接し引っ張る
の2つの方法があるのですが、裏から叩いて板金すると塗装は割れますし、鉄板をむき出しにしないと溶接はできません。どちらの方法を選ぶにしても後の工程に支障をきたすため塗膜剥離を行う必要があるのです。
4.板金
パーツやビームの脱着や塗膜剥離が終わるといよいよ板金です。板金とは凹んでるパネルを元に戻す作業を指します。パネルが凹んだということは、凹んだ分だけパネルが伸びているということです。パネルを修復するためには、凹みを戻すだけでなく長さも元に戻す必要があるのです。
長さの調節は、鉄板の張り具合で調節します。鉄板を熱くしては冷ます、これを繰り返すことによって鉄板が収縮して長さに戻り張りが出てきます。鉄板の張りを調整することを絞り作業といいます。板金とは、鉄板を叩くだけでなく、引っ張り出し、絞りを繰り返し見た目だけでなく強度も復元させていくのです。
5.パテ付け
板金で復元したもののその状態は100%完璧とはいえません。手で触ってもあまり分かりませんが、パテ付けを行うことでより完璧な仕上がりを目指します。パテが多いと仕上がりに影響するため、なるべく少ない方が良いといえます。
6.パテ研ぎ
パテを付けたら、より良い仕上がりにするために時間をかけて削っていきます。パテ研ぎは削って形を整えるのですが、粗い研ぎ剤から細かい研ぎ剤まで様々あり、綺麗に仕上げるためにも順番に使用していきます。
パテで形を整えたら、サフェーサーと呼ばれている下地処理剤を塗装して、このサフェーサーを削って下地が完成します。以上の流れが板金作業の工程です。
塗装工程について
板金作業が終わると、次は塗装作業です。塗装作業の工程は、まずは塗料が他の部分に付くのを防ぐためにマスキングを行い、その後に塗装を行います。塗装には「部分塗装」と「全体塗装」の2種類があり、費用や塗装する場所によってどちらにするか選びます。色の塗装が終わったら光沢感のあるクリアー塗装で仕上げて乾燥させ、塗装面を磨きます。
最初に外した付属品などを付けて確認をしたら塗装作業も終了です。
まとめ
いかがだったでしょうか。板金塗装は、事故などで損傷した鉄板を元に戻して塗装することですが、そこには様々な工程があることを理解していただけたと思います。キズや凹みは元通りになりますので悩んでいる方がいましたらぜひ修理に出すことをおすすめします。
「矢萩自動車」はキズやヘコミの修理専門店です。ぼっこりとヘコませてしまったものの、何から始めれば良いか分からない方や、ディーラーに見積もりを依頼したら費用が高くて悩んでいる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。